マイアミではリーマン・ショックで多くの建設工事が中断していたらしいのですが、その後の人口増加と国外からの投資により、2013年の現在では建築ブームです。そんな中、小さな街にも関わらず、スターキテクト(Starchitect)と呼ばれる著名建築家にデザインを発注した物件が多くあり、数年後には現代建築ツアーができるようになっているかもしれません。建設予定地と併せていくつかご紹介。(2013年4月現在)
ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ Perez Art Museum Miami (PAMM)
住所:Bicentennial Park
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
竣工予定:まもなく、2013年12月
ダウンタウンの Miami Art Museumが移転、改名。設計はドイツW杯決勝地「アリアンツ・アレナ」、北京オリンピック「鳥の巣」国家体育場、プラダ青山店で知られるヘルツォーク&ド・ムーロンです。立地の海辺の公園バイセンティニアル・パークBicentennial Parkも一緒に整備され、2015年に科学博物館も移ってくる予定。
Perez Art Museum建設地(2013年4月撮影) |
※2013年12月追記:2013年12月4日に、ペレス・アート・ミュージアムが開館しました。
詳しくはこちらをご参照ください:
海辺の美術館ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ開館
なおヘルツォーク&ド・ムーロンはマイアミ・ビーチ市の立体駐車場「1111 Lincoln Road」も手掛けています。
詳しくはこちらをご参照ください:
海辺の美術館ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ開館
なおヘルツォーク&ド・ムーロンはマイアミ・ビーチ市の立体駐車場「1111 Lincoln Road」も手掛けています。
立体駐車場「1111 Lincoln Road」 |
ファエナ(フェイナ?ファイナ?)サクソニー Faena Saxony
住所:3201 Collins Avenue, Miami Beach
設計:フォスター+パートナーズ、OMAほか
竣工予定:2014年
住居、アートセンター、ホテルの複合施設。住居はロンドンのミレニアム・ブリッジ、ロンドン市庁舎で知られる英国のノーマン・フォスター卿ひきいるフォスター+パートナーズ、アートセンターは北京「中国中央電視台本部ビル」のレム・コールハースひきいるOMA設計。そうえいばフォスター卿は2011年のアートフェアの際、この近くの会場に講演に来ていました。
Faena Saxony建設地(2013年4月撮影) |
完成予想図(動画)
Faena Saxonyは、デザインよりも住居の価格の高さが話題になっているようです。ペントハウスは5千万ドル(約50億円)だとか…。
Two-for-One: Miami Condos Sell for a record $34 Million (Wall Street Journal, 2013年3月7日、二つ目の記事)
レム・コールハースはマイアミ・ビーチ市コンベンション・センター改築の案も出しています。(こちらは誰が手掛けるのか2013年4月現在まだ未定)
ワン・サウザンド・ミュージアム One Thousand Museum
住所:1000 Biscayne Boulevard, Miami
設計:ザハ・ハディド
竣工予定:2018年
東京の新国立競技場コンペ優勝者ザハ・ハディドによる、西半球(ようはアメリカで)初の高層建築。One Thousand Museumとはコンドミニアム(集合住宅)の名称で、番地と、上記Perez Art Museumが近くにあるから、という理由の組み合わせによるものでしょう。資金はまだ不足しているようす。
One Thousand Museum建設予定地(2013年3月撮影) |
完成予想図 (Curbed Miami 2013年3月19日)
上記One Thousand Museumはマイアミ市のダウンタウン、US1(国道1号線)沿いに建設予定。またマイアミ・ビーチ市はザハ・ハディド設計の立体駐車場「Collins Park Garage」の建設を予定しています。竣工予定不明。
完成予想図(designboom 2013年2月13日)
マイアミ・ビーチ市は駐車場のデザインにやたら力を入れていますので、後日これらについても書きたいと思います。ご紹介するエントリーを追加しました:デザイナーズ立体駐車場 (2013年7月17日)
関連エントリー:
プリツカー受賞者ら参加のコンペの結果、またまたOMA物件登場(2013年1月4日)
海辺の美術館ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ開館 (2013年12月11日)2013年のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(2013年9月8日)
スター建築家物件、続々-2 B.インゲルス、R.マイヤー、H&dM (2013年7月31日)
レム・コールハース案に決定、展示場再開発(2013年7月19日)
H&deM、フランク・ゲイリー、ザハ…マイアミ・ビーチのデザイナーズ立体駐車場 (2013年7月17日)
展示場再開発案、続報 (2013年6月26日)
コールハースVSインゲルス 展示場改築プランで師弟対決 (2013年5月16日)
参考:
オシャレ不動産情報サイト「Curbed」マイアミ版によるスターキテクト物件マップ:
Introducing the Curbed Miami Starchitecture Heatmap (Curbed Miami, 2013年4月19日)
マイアミの建築ブームについて:
FRB(連邦準備制度理事会)アトランタ支店 2012年第3四半期レポート
Does the Return of the Cranes Signal a Housing Revival in South Florida? (槌音が戻った南フロリダ、住宅産業回復の兆し?)
なおこうしたスター建築家に関する私の知識、ほとんど「カーサ・ブルータス」から得たものです。専門知識がなくてすみません(この号は買い逃し)
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