2013年7月31日水曜日

スター建築家物件、続々-2 B.インゲルス、R.マイヤー、H&dM


以前のエントリー(「スター建築家物件、続々」)ではダウンタウンとマイアミ・ビーチのスター建築家物件をご紹介しましたが、今回は中心部から離れた住宅街にある物件を3点ご紹介します。いずれも集合住宅。


The Grove at Grand Bay 
設計:BIG (ビャルケ・インゲルス)
竣工予定:2014年
住所:2669 South Bayshore Drive, Miami, FL 33133
The Grove at Ground Bay模型。見づらい写真ですみません


マイアミ市の南に位置する、ココナッツ・グローブ地区(Coconut Grove)の海辺に建設予定の双子のコンドミニアム。ビャルケ・インゲルス氏の事務所BIGが設計。BIGはマイアミ・ビーチ・コンベンション・センターのコンペではOMAに敗れてしまいましたが(「レム・コールハース案に決定、展示場再開発」)、こちらは着々と進んでいるようです。下記の映像でインゲルス氏は「The two towers dance together(二棟が一緒にダンスをしている)」とおっしゃってます。なるほどそう見えますね。

インゲルス氏によるプロジェクトの説明:
Bjarke Ingels on Designing Grove at Grand Bay in Coconut Grove, Fl.
(Grove at Grand BayのVimeoから)


Bjarke Ingels on Designing Grove at Grand Bay in Coconut Grove, Fl. from Grove at Grand Bay on Vimeo.


ココナッツ・グローブはかつてカウンターカルチャーの拠点だったそうです。現在ではアーティスティックでヒッピーな雰囲気には程遠い気がするのですが(個人の印象です)、モールがあり飲食店も多く、週末は近隣の大学生など若者が飲みに来るそうですし、Grove at Grand Bayが完成すればさらに活気づくかもしれません。またファミリーに向いた地区でもあり、下記Miami Todayの記事によればすでに同地区の一戸建ての価格はリーマン・ショック前の水準に戻ったとのこと。立地、地域の魅力、良い学校、自然、海、安全性などの点で価値が高いとのことです。

Grove condos regain, pass price peak (Miami Today, 2013年7月4日)

ココナッツ・グローブ地区の海辺
Grove at Grand Bay 公式サイト


The Surf Club 

設計:Kobi Karp、リチャード・マイヤー

竣工予定:不明

住所:9011 Collins Avenue, Surfside, Miami-Dade, FL33154

サーフサイド地区のビーチ

マイアミ・ビーチ市の北隣、サーフサイド(Surfside)の会員制クラブが売りに出され、トルコの企業Koc Groupによりリノベーションされるとのこと。Surf Clubは1930年創業でチャーチル、マッカーサー、エリザベス・テイラーらが滞在したことも。オリジナルの建築は残し、増築部分を解体してコンドミニアムとホテルにするそうです。当初はマイアミの建築家Kobi Karp氏が設計担当だったのですが、なぜか途中から博物館建築などで知られるリチャード・マイヤー氏も参加することに。下記リンクに完成予想図の画像多数。



Exclusive: Renderings Revealed of the Richard Meier/Kobi Karp Surf Club Expansion
(Curbed Miami, 2013年7月24日)

たいして詳しくもない私が言うのもなんですが、完成予想図を見るとガラス張りであんまりリチャード・マイヤーっぽくないような。同氏のデザインは、MACBA(バルセロナ現代美術館)のような白っぽい建築が特徴なのでは…。
MACBA(バルセロナ現代美術館)
サーフサイド地区は昔ながらという風情の商店街があり、こぢんまりと庶民的な雰囲気ですが、ユダヤ系住人が多く、裕福な人が多いのではないかと思います。すぐ近くに高級ショッピングモール「バルハーバー・ショップス(Bal Harbour Shops)」があります。
サーフサイド地区の商店街

The Surf Club 公式サイト


Jade Signature 
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
竣工予定:2016年
住所:16901 Collins Avenue, Sunny Isles Beach, FL33160
サーフサイド地区からさらに北上したサニー・アイルズ地区(Sunny Isles)に、ヘルツォーク&ド・ムーロン設計のタワー型コンドミニアムの建設が予定されています。同ファームのデザインは、マイアミ周辺では立体駐車場「1111 Lincoln Road」、2013年12月開館予定「Perez Art Museum」に続いて3件目でしょうか。

完成予想動画:
Jade Signature Sneak Peek Video (Jade SignatureのVimeoから)


Jade Signature Sneak Peek Video from Jade Signature on Vimeo.


また、下記リンクに完成予想図の画像多数あります。

Lots of Renderings Revealed of Herzog & de Meuron's Jade Signature Condo Tower
(Curbed Miami, 2013年7月24日)

画像を見ると、中央と両端の部屋は壁のないぶち抜き。まるまる一部屋、もしくはガラス製の間仕切りなんでしょうか。また、軒(階下にとってはバルコニー)が深いのは、「1111 Lincoln Road」と似ています。マイアミは日差しが強いので、軒を深くとっているのかなと思います。
1111 Lincoln Road

「1111Lincoln Road」についてはよろしければこちらもご参照ください:

なおヘルツォーク&ド・ムーロン設計のタワー型コンドミニアムは、マイアミより一足早くマンハッタンのトライベッカ地区に出来る予定です。
参考:「 56 Leonard Street」 (2015年竣工予定)
エントランスに現代彫刻家アニッシュ・カプーアの大型作品を置くとは、豪華。不規則な形(ジェンガみたいと形容しているサイトがありました)が面白いですね。これに比べるとJade Signatureはおとなしすぎる気も。

1950〜60年代のサニー・アイルズでは、海辺にモーテルがずらっと建ち並んでいたそうで、現在は同じところにタワー型コンドミニアムが林立しており(モーテルの敷地が小さかったので、タワー型になったのかもしれません)不動産王ドナルド・トランプ氏のホテルやコンドミニアムもあります。
サニー・アイルズ地区

2016年には同地区にポルシェデザイン・グループ設計のコンドミニアムが出来る予定です。こちらはなんと、愛車(むろんポルシェでしょう)をガラス張りのエレベーターに乗っけて、自分の部屋まで持って行けるそうです。なかなか個性的ですね。
参考:Porsche Design Tower (2016)
(Haute Residence, 2013年7月17日)

Jade Signature 公式サイト


H&deM、フランク・ゲイリー、ザハ…マイアミ・ビーチのデザイナーズ立体駐車場 (2013年7月17日)

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