2013年6月10日月曜日

ヒート本拠地、マイアミ


2013年6月10日現在、アメリカのプロバスケットボール(NBA)の決勝シリーズが行われています。優勝候補の片方は、マイアミが本拠地のマイアミ・ヒート(Miami Heat)です。2012年の優勝チームです。と書き出したものの、私はスポーツ全般に疎いので、ヒート周辺の小ネタをご紹介。
※2013年6月追記:ヒートが2013年のチャンピオンになりました。おめでとうございます。ヒート選手の入場音楽を探して、当ブログをご覧くださった方もいらっしゃるようです(ありがとうございます)。この記事の一番下に情報を追記しましたので、よろしければご参照ください。
中央の白い建物がヒートのホームAmerican Airlines Arena。隣のBayside Marketplaceから撮影


ヒートのホームスタジアムは、マイアミ市ダウンタウンにあるアメリカン・エアラインズ・アリーナ(American Airlines Arena)。バスケの試合のほか音楽のコンサート会場にもなります。設計はマイアミでコンドミニアムなどを多く手掛ける地元のアーキテクトニカ(Arquitectonica。アリーナはHeinlein Schrockと共同作業。1999年。)南米、中国、UAEなど国外でも手広く仕事をしているようです。ちなみにオランダの建築家レム・コールハースとは長年の交流があるそうです(ゆえに、マイアミ・ビーチの展示場再開発コンペに参加しているコールハースは落下傘候補ではない、と地元メディアで報じられていました)。
正面に大型スクリーンがあるアリーナ

American Airlines Arenaは海と国道1号線US1に挟まれた場所にあり、元々は鉄道会社の土地だったそうです。すぐ横に線路や踏切がありますが、電車が走っているところは見たことがありません。廃線ではないと思うのですが…。北隣は現在、着々と建設が進んでいるペレス・アート・ミュージアム(Perez Art Museum。2013年12月開館予定。設計はヘルツォーク&ド・ムーロン)。南隣は海沿いのショッピングモール「ベイサイド・マーケットプレイス(Bayside Marketplace)」、公園「ベイフロント・パーク(Bayfront Park)」と続きます。このエリアはザハ・ハディド設計の高層住宅ワン・サウザンド・ミュージアム(One Thousand Museum)の建設も予定されており、都心部ですが空地も多く、今後も(お金が続けば)再開発されていくのかなと思います。
※ペレス・アート・ミュージアム、ワン・サウザウンド・ミュージアムについてはこちらにも書いております:

アリーナの前は空き地(露天駐車場)、横は鉄道線路



なおアリーナでイベントがあるとき(だと思うのですが)には広告用の大型ディスプレイを搭載した飛行船がダウンタウン上空に出没することがあり、さながら映画「ブレードランナー」のようです。
ブレブレですが左上に浮かんでいるのが飛行船

ヒートのスター選手のひとりがレブロン・ジェームズ(LeBron James)。2013年NBAプレーオフ(リーグ決勝)のTVコマーシャルには、レブロンがフィーチャーされていました。世界中の人がTVでレブロンの活躍を見守っているという設定。「ジェームズが、よろめきます」という日本語のアナウンスがあるのが可笑しい。
We Are All Watching: LeBron (NBAのYoutubeチャンネルから)

レブロンはお洒落だかなんだかよく分からない格好のことが多く、その服装がTVで取り沙汰されたりしますが、ファッションが大好きらしくUNKNWNという自身のファッションブランドも持っています。UNKNWNの店舗は、マイアミの北にあるアベンチュラ・モール(Aventura Mall)に入っています。
UNKNWN

Aventura Mallについては下記にも少し書いております
天気が悪いときはどうするか(2013年7月2日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2013/07/blog-post.html

マイアミはパーティ・タウンとして知られていますが、ヒートのスター選手たちの場合、マイアミ・ビーチの高級ステーキハウスや高級ホテルでパーティをするようです。ドウェイン・ウェイド(Dwyane Wade)選手がバースデイ・パーティをしたホテル「ザ・セタイ(The Setai)」は、マイアミ・ビーチの中でも最高級ホテルの部類に入るようで、2012年12月のアートフェア開催時期には最安の部屋でも宿泊料金が1000ドル以上だったとか。

Dwyane Wade's 30th Birthday Bash: T.I., Common, LeBron, Rick Ross, Gabrielle Union, and Kelly Rowland Toast A Basketball Star (Huffington Post 2012年1月16日。古い記事でスミマセン)


The Setaiは、新しいタワー棟の建設時に、元々あったアールデコ様式のホテルを取り壊し、なぜかその取り壊した部分をもういちど復元してファサードに使用しており、その保存(?)方法は建築ガイド本「Miami Architecture」で批判されていました。
The Setai。ファサードは復元
ちょっと話は逸れますがグラフィティ・アートがたくさんあるウィンウッド(Wynwood)地区にはヒートの選手を描いた壁画がありました(2012年12月時点。ちょうど制作中でした)。描いていたのはハイチ出身の壁画アーティストSerge Toussaint氏。(セルジュ・トゥサン、とお読みするのでしょうか。)今年はマイアミ歴史博物館「History Miami」のアーティスト・イン・レジデンツ・プログラムに参加されていたようです。
Serge Toussaint氏とヒート選手の壁画(2012年12月)
さて以下はヒートの試合観戦に連れて行ってもらったときの体験です。ご参考まで。

試合はエンターテイメント性が高い演出がなされており、またスーパーアスリートのプレーが見られるので、バスケ素人(私のことです)が見に行っても楽しめます。選手紹介タイムの、屋内なのに炎がゴーッと噴き出すという演出には驚きました。照明や音響、広告用の電光掲示板なども凝っています。実況といいますか、格闘技のアナウンスみたいなもの(「すべらない話」のオープニングのあれ)が随所に入り、さらに盛り上げ役のDJやパーカッションバンドがいたりします。ユニフォームなどのヒートグッズはアリーナ内のお店で買えます。試合のある日はアリーナの外にもお店が出ているので、会場に入らなくとも買えると思います。
選手入場とともに炎が。(2013年6月)
また開幕戦など特別な試合には有名人が見に来ます。2012年開幕戦ではグロリア・エステファン(マイアミの大スター、キューバ移民)、陸上選手のウサイン・ボルト(マイアミとジャマイカは近いです)が来ており、先日の決勝シリーズ1試合目ではFlo Rida(マイアミ出身)、それになんとサッカースペイン代表チーム(ハイチとの親善試合のためマイアミ訪問中でした)が来ていました。TV中継されるため、決勝シリーズではスポーツ番組の解説担当、元選手のマジック・ジョンソンを遠目に見ることもできましたよ。
シーズン開幕日のアリーナ周辺(2012年10月)
試合の行き帰りはけっこう大変。アリーナやBayfront Parkでイベントがある際には警察が動員され、US1を交通規制するので周辺は渋滞します。車の場合、アリーナには専用駐車場が無い様子。試合開始時間のうんと前に行って、隣のBayside Marketplaceの駐車場に入れるのが、近いし屋根もあるのでいちばん良さそうです。イベント時には周囲の駐車料金はBayside Marketplaceも含め、時間制ではなく固定レートになります(だいたい20ドル前後だったと思います)。周辺の空地なども駐車場になります。
アリーナ隣、Bayside Marketplaceの駐車場
イベント終了後はさっさと人の流れに乗って駐車場から車を出すべきなんだろうと思います(皆が殺到するので時間はかかりますが)。というのも食事でもしてあとで車を取りに行こう…なんてやっているうちに、ダウンタウンはガラーンとひとけがなくなってしまうから。役所と学校があるダウンタウン、平日の昼はそこそこ人がいますが、平日の夜と週末は人が少なく(しかしホームレスはいる)、人の少ない場所というのは安全ではないと思います。1990年代に比べると平日の日中の治安はずっと改善されたようなのですが、暗く閑散とした夜のダウンタウンは、現在でもかなり怖い感じがします。それにアジア系はあまりいないので、外見がアジア系だと目立ってしまう。ダウンタウンを通る公共交通も、平日の日中以外は危険そうなので私は乗ったことがありません。

なおBayside Marketplace内は夜も週末も観光客で賑わっている様子です。また、泊まったことはありませんがホリデイ・イン(Holiday Inn Port of Miami-Downtown)がアリーナの近くにあり、このホテルからは徒歩で行き来できると思います(その場合も、帰りは人の流れに乗って帰らないと、取り残されて怖いと思います。イベントがあるのは夜ですから。)

(参考)深夜のダウンタウンのクラブでぼったくりにあった人の話はこちら。大規模イベント開催期間中でもコワいところはコワい。(リンク先の一番下の段落):
試合終了後いっせいにアリーナをあとにする人々。緑色にライトアップしているのがHoliday Inn。人々が着用しているファイナルシリーズ用の白いTシャツはチケット代に込み(2013年6月)

<2013年6月追記>
シーズン終了してしまいましたが、マイアミ・ヒート2012-2013シーズンの選手入場音楽は、The White Stripesというバンドの「Seven Nation Army」(2003年)でした。10年も前の曲なんですね。試合中も、ファンが応援のためイントロ部分を「オーオオオオーオー」と口ずさむことが頻繁にありました。
The White Stripes - 'Seven Nation Army' (XLRecordingsのYouTubeチャンネルから)
http://www.youtube.com/watch?v=0J2QdDbelmY


関連エントリー:
ダウンタウンにベッカムのサッカースタジアムができる?(2014年3月11日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2014/03/blog-post.html
レトロなダウンタウンが徐々に発展中(2014年1月11日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2014/01/blog-post.html
マイアミ・ブックフェア・インターナショナル(2013年10月8日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2013/10/blog-post.html
アート・バーゼルのサテライト・ショー(2013年9月22日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2013/09/blog-post_22.html

2013年のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(2013年9月8日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2013/09/2013.html
マイアミロケのCM-2 Victoria's Secret、Beats by Dre (2013年7月25日)
http://bunkakeimiami.blogspot.com/2013/07/cm-2.html

天気が悪いときはどうするか(2013年7月2日)
音楽フェス・好天候・祝日がかさなり記録破りのホテル稼働率(2013年5月1日)



参考リンク:
American Airlines Arena
Bayside Marketplace
Aventura Mall (UNKNWNが入っている)
The Setai Miami Beach
Arquitectonica

参考文献:
Miami Architecture An AIA Guide Featuring Downtown, the Beaches, and Coconut Grove
(Shulman / Robinson / Donnelly, University Press of Florida, 2010)

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