文化系マイアミ: 小ネタ：マイアミ・モダン建築 (MiMo)

マイアミ・モダンとは「第二次世界大戦後(1945年〜1960年半ば）にマイアミとマイアミ・ビーチで生まれた建築様式で、世界各地で隆盛だった様々なモダニズム建築ムーブメントがローカル化したもの」(「Mimo On The Beach」サイトより）。Miami Modern、略してMiMo (ミモとかマイモとか発音するみたいです）と呼ばれています。

いまも残るMiMo建築には次のような宿泊施設があり、現在でも営業しています。

・マイアミ・ビーチ中部のミッド・ビーチにある大型ホテル

・ビスケーン通り（Biscayne Blvd = US1)沿いにあるモーテル

小ぶりな集合住宅でMiMo様式のものも、ちょくちょく見かけます。

Fontainebleau ホテル（ミッド・ビーチ）

モダニズムというと、装飾を排し機能性を重視したという側面があるかと思いますが、宿泊施設に採用する場合は、機能性よりお客の目を引くのが大事、「流行だから」「カッコイイから」という理由で採用されたものと思われます。

Eden Roc ホテル（ミッド・ビーチ）

ミッド・ビーチにあるのは、MiMoを代表する建築家Morris Lapidusが手掛けたFontainebleau Hotel(1954年竣工）、そのお隣も同建築家により同年完成したEden Roc Hotel。Fontainebleau Hotelには、どこにも通じていない大階段、つまり演出としてのみ存在する階段があり、モダンという呼び名ではあれど、機能性は無視されています。両ホテルの少し北のノース・ビーチには、Deauville Hotelがあり、こちらも1950年代にLapidusがデザインしたものです。

Deauville ホテル（ノース・ビーチ）

Deauville ホテル、ロビー

Fontainebleauは「007 ゴールドフィンガー」(1964年公開）に登場し、Deauvilleではビートルズのコンサートが開催(こちらも1964年）されました。20世紀半ば頃はMiMo様式の大型ホテルに人気があり、ミッド・ビーチ周辺が観光の中心だったことが伺えます。

ビスケーン通り沿いに連なるモーテル群

ビスケーン通り（Biscayne Blvd = US1) 沿いにあるモーテル群は、ミッド・ビーチよりチープでレトロな雰囲気を醸しており、じっくり観察してみたいと思わされるものの、周囲の治安はあまり良くなさそうです。ガイド本「マイアミの休日」には「写真を撮ろうとして生卵を投げつけられた人がいる」と書いてありました。（同ガイド本については「これは詳しい！「マイアミの休日」」をご参照ください）。ですが最近はこのレトロなビスケーン通り沿いでは、モーテルが昔のデザインを活かした改装をしたり、気の利いたレストラン等が出店しつつあるようで、気になるエリアです。