2014年1月26日日曜日

4月の風物詩、ゲイ・プライド・パレード


マイアミ・ビーチはゲイに人気の観光地。お洒落なカップルの姿をよく見かけます。毎年4月にはゲイ・プライド・フェスティバルがあり、2014年の開催は4月11日〜13日。 オーシャン・ドライブのアール・デコ建築を背景に賑やかなパレードが催されます(パレードは4月13日(日)12:00〜)。

マイアミ・ビーチのゲイ・プライド・フェスティバルは3日間続き、年々参加者が増えているそうです。公式サイトによれば、昨年2013年の推定来場者は8万人。音楽ライブ、パーティなどの夜のイベント(未見)とともに、週末の日中にパレードがあります。主催は NPOのMiami Beach Gay Pride。ここでは2013年の様子をご紹介します。
アール・デコ様式の街並を背景に進むパレード
ゲイ・プライド・パレードというとサンフランシスコのものが本家で、よく知られていると思います。私は写真でしか見たことがありませんが、サンフランシスコやニューヨークでは広い目抜き通りで盛大に開催されるようですね。それらに比べるとマイアミ・ビーチのパレードは規模がずっと小さいのですが、そのぶんすぐ近くで見ることができ、アットホームな印象です。青空のもと、アール・デコ様式のホテル群を背景に、山車と華やかな衣装の人たちがオーシャン・ドライブを進んでいきます。
このようにうんと近くで見ることができます
さて2013年のパレードの様子ですが、先陣を切ったのはオープンカーに乗ったMatti Bower Herrera市長(当時)でした。市長が登場すると沿道からわーっと大きな歓声。市長の人気ぶりに驚いたのものですが、あとから調べたところによると、市長は在任中の2008年にMiami Beach Gay Business Development 特別委員会を設置、翌2009年からゲイ・プライド・フェスティバルが市のオフィシャル・イベントとして開始したそうです(それ以前に有志でイベントをやっていたのかどうかは不明)。Herrera氏はマイアミ・ビーチ初の女性、初のヒスパニックの市長でした。つまり市長としては初のマイノリティでした。
ゲイ・プライド・パレード仕様のパトカー
警察、消防署もパレードに参加。大きなハシゴ車や、パレード向けの塗装を施したパトカーも登場。Wikipediaのマイアミ・ビーチ市の項によりますと、かつては警官によるゲイを標的にした嫌がらせがあったそうです。おそろしや…。市の人権に関する条例の改正につながり、今では警察がパレードに参加するまでに。
マイアミほか各都市で展開するカーシェア「Car2Go」もレインボー仕様
消防署のハシゴ車
ヴィンテージカーの車列は、カップル歴 20年以上の「Legacy Couple」。お年寄りのカップルたちを見ると、これまでたくさんの苦労があったのだろうな、今は幸せなんだろうな、と思えて泣けてきます。
Legacy Coupleたちの車列
パレードのハイライトは、きらびやかな衣装をまとう出演者たちを乗せた、趣向を凝らした山車。これらの山車は飲食店やアパレルなどの企業がスポンサーをしているようです。教会の山車もありました。私はキリスト教会とLGBTは対立しているものと思い込んでいたので、意外でした。 
アフリカンな趣向の山車
ローマ時代ふうの衣装の人々。持っているのはキューバの旗。
教会の山車
猛暑のなか、笑顔を見せる参加者。
山車には乗っていませんでしたが、「Safe School (誰もが差別されず安全)」を掲げる高校の生徒やブラスバンドのマーチもありました。詩人リチャード・ブランコ氏の出身校、Florida International 大学(通称FIU)も参加しています。ブランコ氏はマイアミ育ちのキューバ系移民で、オバマ大統領第二期就任時、移民として初、ヒスパニックとして初、ゲイとして初の就任式の詩人に選ばれました。またパレードではこうした参加団体が、giveawayといってリップクリームやら団扇やらの景品をくれたりします。
ドラァグ・クイーンのショーがあるバー「Palace」の山車
「Palace」の山車
コカ・コーラの山車。うしろにDJブースがくっついていました。
キューバのシャツ「グアヤベラ」のお店「CUBAVERA」の山車
「平等」と「HIV検査」のメッセージを掲げる山車
マイアミ・ビーチではこうしたイベントが盛り上がりますが、フロリダ州ではまだ同性の婚姻は認められていません。 華やかな仮装を楽しみつつ、景品をもらいつつ、社会のことを考えるきっかけになるパレードです。なおマイアミの4月はすでに夏。そうとう暑いので気をつけて見学しましょう。


マイアミ・ビーチ・ゲイ・プライド公式サイト


<参考>パレード会場のオーシャン・ドライブ周辺には以下のようなゲイフレンドリーなスポットがあります(たぶんもっとあると思います)。

ゲイ・ビーチ 
12th Streetのあたり


Palace South Beach(バー)
1200 Ocean Drive
ドラァグ・クイーンが昼頃と夜にお店の外に現れてトークします(毎日やっているかどうかは不明)。


Miami Beach LGBT Visitor Center
1130 Washington Avenue 

LGBT向けビジターセンター。マイアミ・デード郡の Miami-Dade Gay &  Lesbian Chamber of Commerce(ゲイ&レズビアン商工会議所)が運営しています。シネマテークと同じ旧市庁舎ビルの中に入っています。 

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