マイアミ市ダウンタウンの南を流れるマイアミ川を渡ると、ブリッケル(Brickell)地区という金融街(Financial District)に入ります。ラテンアメリカ向けの金融センターの役割を持ち、高層の金融機関、ホテル、住宅が建ち並んでいます。現在工事中のブロックが多く、この先も高層建築プロジェクト、大規模街区開発が控えています。(ブリッケル地区も含めた一帯をダウンタウンと呼ぶこともあるようです。)
ブリッケル。対岸の小島ブリッケル・キーからの眺め |
レトロなダウンタウンや、年中夏休みみたいなマイアミ・ビーチの観光地と比べると、洗練された都会的な雰囲気です。ブリッケルは海沿いから開発されて行っているようで、内陸側に数分歩けば、まだ高層ビルがなく、マイアミ最古と言われるバー「Tobacco Road」が残るブロックがあり、不思議な感じです。(Tobacco Roadのある土地は再開発が決まっており、2015年頃にクローズするようです。)
発展著しいブリッケルでは、駐車場整備が追いつかず、車社会のマイアミではこれはけっこう深刻な問題のようです。
記事によれば、気がついたら地価が上がってしまい、マイアミ市側でパブリック・パーキングを増やすのが厳しくなってしまったとのこと。ブリッケルにオフィスを構える企業は、これまた地価が高いため、従業員ひとりあたりのスペースを以前よりも切り詰めた結果、人口密度が上がり、いっそう駐車場不足に拍車をかけているそうです。
ビジネス街のブリッケルでは朝夕ラッシュアワーの渋滞もかなりのようです。私の個人的な感想では、高層ビルがどんどん増えているのに、車道が狭く、信号のない交差点が残っているなど、道路インフラが昔のままなので渋滞を招いている面があるのでは?と思います。また、ダウンタウンに通じる橋が跳ね橋なので、橋が開くと通行できなくなるというのも渋滞の原因の一つかもしれません。
マイアミ市の担当者は、通勤者には公共交通を使ってもらい、車通勤者を減らさなくては、と記事内で語っています。車社会でありながら、実はブリッケルとダウンタウンでは公共交通が充実しているのです。路線バス(Metrobus)、市内鉄道メトロレール(Metrorail)、無料の無人交通メトロムーバー(Metromover)、無料のトロリー(Trolley)が通っています。また2012年から「Car2go」というカーシェアリングのサービスも始まりました。
鉄道メトロレールのGovernment Center駅。 (Brickellの隣駅) |
無料トロリー |
メトロムーバーのGovernment Center駅。上の写真の鉄道との乗継ぎ駅。 |
カーシェアリングのCar2go |
メトロレールBrickell駅高架下にはなぜか鶏が…。こういう土地を有効利用していないのも渋滞の原因? |
ドキュメンタリー映画「Urbanized」では、コロンビア・ボゴタ市の公共交通を整備した元市長が、「行政が駐車場を用意しても、車の台数が増えるだけで渋滞解消にはならない」と言っていました。マイアミでも今後、公共交通がさらに利用しやすくなり、利用者が増えると良いなと思います。
「Urbanized」予告篇(Swissdots のYoutubeチャンネルから)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=6jpN8kI0-pY
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=6jpN8kI0-pY
関連エントリー:
レトロなダウンタウンが徐々に発展中(2014年1月11日)
「マイアミ ー オーランド間 高速鉄道計画」(2013年9月3日)
「マイアミの移動手段」(2013年7月11日)
参考リンク:
Tobacco Road
http://www.tobacco-road.com/index.php
Shops at Mary Brickell Village
http://www.marybrickellvillage.com
Miami Parking Authority (マイアミ市のパーキング部門)
http://www.miamiparking.com/en/home.aspx
Miami Dade Transit (マイアミ・デード郡交通局)
http://www.miamidade.gov/transit/
Car2Go
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