マイアミから車で4時間、飛行機では約45分のフロリダ州中部の都市オーランド(Orlando)。ディズニーワールドやユニバーサル・スタジオなどのテーマパークがあり（聖書の世界を再現？したホーリーランドなんていうのもあります）、世界中から観光客がやってきます。現在、このオーランドにある空港と、マイアミのダウンタウンを高速鉄道で結ぶという計画が進行中です。遠い将来の話かと思っていたら、なんと2013年内に工事開始、2015年には部分的に操業開始という計画なのだそうです（空港の新ターミナル工事が7年も遅れたマイアミのこと、あくまで予定は予定かと思いますが）。
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フロリダ州の高速鉄道計画中止 新幹線輸出に打撃
（朝日新聞、2011年2月17日）
（朝日新聞、2011年2月17日）
いつの間に鉄道計画が復活したのでしょう。事情はよく分かりませんが、いま計画を進めているのは、行政ではなく民間の鉄道会社であり、税金があまりかからない、ということなのかも。この民間鉄道会社はフロリダ・イースト・コースト・レイルウェイ（Florida East Coast Railway、略称FEC）。マイアミの発展に多大なる貢献をした実業家、スタンダード石油創業者でもあるヘンリー・フラグラー (Henry Flagler、1830-1913)が興した鉄道会社を祖としています。
現在FECが所有する線路はフロリダを南北に走っており、だいたいUS1（国道1号線）に沿ったルートのようです。マイアミ—オーランド高速鉄道計画では、既存の線路に一部新規のルートを追加するとのこと。ちなみにFECの線路は、かつてはアメリカ本土最南端、キーウェストまで通っていました。作業員がマラリアでばたばた倒れるなか苦労して建設したのに、1930年代にハリケーンで大きな被害をうけて以来マイアミ—キーウェスト間は廃線になっています。もったいない。
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| マイアミからキーウェストに向かう鉄道の廃線跡 (Bahia Honda State Parkにて） |
FECはマイアミーオーランド高速鉄道計画を「All Aboard Florida」(フロリダの皆さん、乗車の時間です！という感じでしょうか）と名付けており、同プロジェクトの公式サイトによれば、マイアミ、フォートローダーデール、ウェスト・パームビーチ、オーランド空港に駅を設置する計画だそうです。
マイアミでは長距離鉄道アムトラックのターミナルが都心からやや離れた場所にあるのですが、FECはダウンタウン直結を予定。実はFECはダウンタウンやマイアミ港周辺にすでに線路を持っているのですが、1960年代に旅客鉄道業務をやめ、貨物鉄道のみ経営。まちなかに線路や踏切があるのですが、運行本数が少ないのか、電車が通る場面は一度も見たことがありません。
マイアミでは長距離鉄道アムトラックのターミナルが都心からやや離れた場所にあるのですが、FECはダウンタウン直結を予定。実はFECはダウンタウンやマイアミ港周辺にすでに線路を持っているのですが、1960年代に旅客鉄道業務をやめ、貨物鉄道のみ経営。まちなかに線路や踏切があるのですが、運行本数が少ないのか、電車が通る場面は一度も見たことがありません。
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| ダウンタウンにある踏切 |
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| ダウンタウンにある線路 |
Miami's New Train Station Will Be Big, Grand, Up In The Sky
(Curbed Miami, 2012年11月7日）
(Curbed Miami, 2012年11月7日）
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| Government Center駅。隣に新駅ができるらしい。 |
またMiami Todayの記事によれば、電車の速度は時速79マイル〜125マイル（時速約127キロ〜201キロ。場所により変わる）。運賃は85ドル程度と予測されています。1等席と2等席があり、食事付き。Cubed Miamiは「(85ドルは）車より高いけれど、飛行機より安い価格」と書いています。
Miami-Orlando by train for under $100 (Miami Today, 2013年8月22日）
現在のマイアミのダウンタウンは有効活用されていない部分が多いように思われるのですが、新駅建設のように新しいプロジェクトがいろいろあるようで、今後も要注目です。
All Aboard Florida 公式サイト
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