2014年5月15日木曜日

小ネタ:リトル・ハバナ



筆者は残念ながらリトル・ハバナをゆっくり訪れる機会がないままマイアミを離れてしまい、直接見聞してはいないのですがよろしければご参考に。

現在のマイアミでは、ラテンアメリカ出身者=スペイン語話者は英語話者よりも人数が多く、マイアミ住民のマジョリティといえ、スペイン語の日刊新聞もあります(「マイアミでいちばん使われる言語は、英語ではなく…」をご参照ください)。そうしたラテンアメリカ出身者のうち、もともとキューバ系移民が暮らした地区と思われるリトル・ハバナは、金融街ブリッケルの西方、8th Street (通称スペイン語でCalle Ocho、カジェ・オチョ)沿いに広がっています。キューバ料理店「ヴェルサイユ(Versailles)」はこの地のアイコニックな存在のようです。空港にも支店があります。

Versailles Restaurant
3555 SW 8th Street, Miami, Florida 33135
夜のCalle Ocho
現在の住人はキューバ系とは限らないようですが、ヒスパニック系の住民が多いのは以前と変わらないようです。キューバ革命時に移転してきた葉巻産業が残り、商店の看板はスペイン語。アメリカとキューバは正式な国交がないのに、マイアミ国際空港からは頻繁に直行便が出ており、多くの人がマイアミとハバナを行き来しているようです(利用できるのはキューバに家族がいるなど、特別に許可が降りた人のみ)。

カストロ政権下のキューバからマイアミに亡命してきた人々は、カストロ憎し・共産主義憎し・アメリカの共和党支持、だそうで、リトル・ハバナに設置されているモニュメント等もそうした政治的立場を反映しているのだそうです。日本でも流行したチェ・ゲバラがプリントされたTシャツは、着ていかないほうが良さそうですね。しかし2012年の大統領選挙の結果などから、若い世代では政治意識が変化してきていると思われます。
バイクを運転しながら葉巻をたしなむ人。Calle Ochoにて。

観光地というよりヒスパニック系住民の生活圏という趣きのリトル・ハバナですが、ラテン音楽のナイトクラブが多数あるとのこと。筆者が通ったスペイン語教室の、踊りが好きなコロンビア出身の先生は、良いラテン音楽のクラブがあるのはカジェ・オチョだ、仰っていました。毎月最終金曜日には「Viernes Culturales(文化的な金曜日)」と称して、夜遅くまでギャラリーを開けたり、路上イベントを行っているようです。また「マルディ・グラ (Mardi Gras)」とよばれるカーニバル、ラテン音楽の祭典「カジェ・オチョ・フェスティバル(Calle Ocho Festival)」では多くの観光客がつめかけるようです。

Viernes Culturales - Cultural Fridays Arts & Culture Festival in Little Havana

ハバナ行き直行便が何本も出ているマイアミ国際空港
なお日本領事館では注意喚起もしていますので、治安に気を配りつつ車で訪れるのが原則かと思います。ただし夕方まで運行している2階建て観光バスがこのエリアを通るので、日中の治安は悪くないのだと思います(観光バスについてはマイアミの移動手段もご参照ください)。ちなみに似た名前でリトル・ハイチと呼ばれる地区がデザイン・ディストリクトの北にありますが、こちらは観光資源に乏しく、治安も悪そうです。

在マイアミ日本国総領事館 生活安全の手引き」(pp4参照)

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